奥秩父 前国師岳(2570m)、国師岳(2591.8m)、東梓(2271.6m)、塩山(1999m) 2013年7月6日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:44 大弛峠−−7:13 前国師ヶ岳−−7:22 国師ヶ岳−−9:02 東梓−−9:29 2240m肩−−11:11 塩山(休憩) 11:29−−12:25 休憩(標高2050m) 12:41−−13:12 2240m肩(休憩) 13:35−−14:04 東梓−−15:05 2210m鞍部(休憩) 15:28−−16:28 国師ヶ岳−−16:35 前国師ヶ岳−−16:56 大弛峠

場所山梨県山梨市(旧三富村)/長野県南佐久郡川上村
年月日2013年7月6日 日帰り
天候曇一時雨
山行種類一般登山+籔山登山
交通手段マイカー
駐車場大弛峠に駐車場ありだが、夏山シーズンはすぐに満杯になる
登山道の有無県境稜線は立派な縦走路あり。県境〜塩山間は道なし
籔の有無県境〜塩山間の稜線上は2240m肩付近以外は石楠花籔籔漕ぎ。しかもかなり濃く地獄の籔が続く
危険個所の有無無し
山頂の展望前国師ヶ岳:あり
国師ヶ岳:南側にあり
東梓:南西側に僅かにあり
塩山:石楠花籔で無し
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント大弛峠より塩山を往復。県境稜線2240m肩より塩山までは道無しで2200m付近で分岐する尾根を間違いやすい。主尾根上は最初は露岩で露岩が終わると塩山まで石楠花籔の連続。これを突破するのは猛烈に体力を消耗するので、籔が薄い稜線東側を可能な限り巻くのが良い。石楠花籔が始まった直後から巻くことが可能で、鞍部を通過して登り返した1970m付近まで巻ける。最後は傾斜がきつくなるので石楠花激籔の尾根上を行く。塩山山頂も石楠花籔に覆われる


ルート図。クリックで拡大


大弛峠 大弛峠(長野側)
大弛小屋 木道が新設
前国師ヶ岳 国師ヶ岳
天狗岩経由の道のこと? 国師ヶ岳より先はやや細る
濡れた石楠花がはみ出るのも国師ヶ岳付近のみ すぐにシラビソ樹林に
東梓 東梓の達筆標識
東梓から見た黒金山 細かなアップダウンが続く
2240m肩 塩山へ続く尾根に入る
石楠花登場 籔の隙間から方向確認。西に移動「
尾根分岐。非常に分かりにくい 主尾根へトラバース
急斜面を横断 尾根に乗る
一つ東側の尾根が本命かと思いトラバース しかし誤り。2つ目の尾根が正解だった
東側をトラバース 僅かに人工物あり
東斜面にも石楠花 尾根上に戻る
かなりの石楠花籔が続く 隙間から見た塩山
樹林が切れた区間の籔が一番ひどい 再び東側をトラバース
しかし斜面が立ちあがって籔登場 尾根上はやっぱ激籔
このピークが山頂だが籔が行く手を阻む 国師ヶ岳方面
塩山山頂 帰りはできるだけ東を巻く
1970m肩。籔が無い北東に引き込まれないよう注意 この程度でも稜線上よりずっとマシ
なおもトラバース なおもトラバース
ガレもトラバース 籔もトラバース
こんな場所は楽できる ここで休憩
上を目指す 間もなく稜線
目印登場 獣道
目印 獣道は稜線西側に続く
途中で稜線を目指して露岩帯を登る 白っぽいイワカガミ
尾根合流点直下はかなりの籔 往路同様に籔の南を巻く
尾根上の籔 尾根合流点を過ぎると籔は消える
2240m肩で休憩 たぶん幽霊草(2240m肩にて)
快適な縦走路も疲れた足には・・・ 東梓
国師ノタル 疲れているが登るしかない
国師ヶ岳はガスの中 ガスに突入
天狗岩方面入口 国師岳
帰りの前国師岳 僅かに南西側が見えた
夢の庭園を下る 大弛峠


 奥秩父の2000m峰は登り終わったが2000m以下の山は残りがある。その中で一番高いのが塩山(えんざん)だ。旧塩山市には塩ノ山という里山があるが、それとは違って深い山の中にある。国師ヶ岳と甲武信ヶ岳間の東梓〜ミズシの中間地点付近から西沢渓谷に飛び出した枝尾根上の山だ。標高は2000mを僅かに切る1999m。ネットで検索をかけたが「塩山」をキーワードにすると旧塩山市関連の語句が引っ掛かるばかりだ。「奥秩父」を追加しても同様に旧塩山市や塩山駅などで引っ掛かるばかり。ヒット件数が多すぎて全部見るのは不可能、もしかしたら1件くらいは塩山の記録があるのかもしれないが、常識的な語句選定では発見は不可能らしい。

 ルートは大弛峠経由、北側の川上村から、それに西沢渓谷側からが考えられるが、西沢渓谷側は一番距離が短いが等高線が込み合って崖マークが混在しリスクが高そうなのでパス、大弛峠は登山口の標高が一番稼げるが、帰りは登りの標高差が大きいのが欠点。川上村側は登山口が遠いこと、最初は沢沿いに進むため雨の直後はヤバそう。金曜日に総合的に判断して大弛峠に決定。土曜日は気温が高めとの予想だったし、金曜は雨が降ったことも理由の一つだ。

 久しぶりの大弛峠。ずいぶん前に完全舗装になっているので今は安心して走行できる。今年は大雨も無いので崩れた個所も無く峠に到着。まだ夜中も早い時刻なので駐車場に駐車可能だが、明日朝には満杯で賑やかになるのは間違いないので、静かに寝るために長野側にずれて未舗装の路肩に駐車。おかげで朝まで静かに眠ることができた。天候はガス。予想の範囲内だ。

 翌朝、目覚ましをかけなかったら起床は6時を過ぎてしまった。天気は昨夜から変わらずガス。たぶん今日一日こんな状況が続くだろう。雨は降っていないが木に付いた水滴が風で煽られて落ちてくるので、半分雨が降っているようなものだろう。最初からゴアを着て出発。既に駐車場は満杯になっていた。峠に出ると南風が強い。日本海にある前線に向かって湿った風が吹き込んでいるのが原因。前線の位置はそうそう変わらないのでやっぱ今日は1日ガスの中か。

 大弛小屋のテント場は早くも数張。ここで寝れば涼しいだろう。今日は下界では暑くなりそうだがこの標高では暑さは無関係。温度計を見ると約10℃だった。日差しが無いので充分涼しい。ついでに冷たい南風もあるし、これが霧雨状なのでよけいに涼しい。

 もう大半の登山者は出発したようで峠も登山道も静かになっていた。前回来た時よりも登山道の整備が進んで、溝のように掘れた個所には木道というか木の階段が出来上がっていた。これだけ登山者数が多ければこのくらいの対策は必要だろう。ちょっと高度を上げるとシラビソ樹林の高さが急激に低くなっていく。峠の標高が2300mを越えているのだから無理もない。人間が高度を稼ぐ代わりに車に頑張ってもらったわけだ。

 木道と地面の登山道を交互に歩き、樹林が切れたピークが前国師ヶ岳山頂。山頂部は展望台のような木のステージに覆われて展望が良さそうな場所だが今は濃いガスの真っただ中で展望皆無。南寄りの風が強い。周囲に登山者は皆無で静かだ。僅かに下って奥秩父最高峰の北奥千丈岳分岐。ここは何度か登っているのでパスし先を急ぐ。次に僅かに登り返すと国師ヶ岳山頂。北半分はシラビソ樹林で展望は無いが南半分が開けているが、今日はガスで真っ白。南風が吹きまくっている。本当は塩山ではなく南アか中アでも行こうとも考えていたが、これでは3000m近くの稜線はもっと悲惨だろう。たぶん富士山もガスと強風の中だろうな。

 まだ先の行程は長い。ここからやや道が細くなり木の枝葉がはみ出す場所もあるが1級の登山道には違いない。迷うような個所は皆無だ。2570m肩で天狗岩経由で西沢渓谷に下る道があるが、ここの利用者は少なく道も薄い。まあ、当然だけど。この先はもったいないほど標高を落とし、最低鞍部の国師ノタル(標高2160m)まで下ってしまう。その間にガスの層を抜けたようで知らない間に霧が消えていて明るい曇り空に変わっていた。周囲の木の葉は乾いており、縦走路を離れて枝尾根で藪漕ぎになってもずぶ濡れになることはないようで一安心。

 その後は2200m前後の稜線で細かいアップダウンが連続する。明確な場所が分かるのは2271.6m三角点峰の東梓くらいだ。ここは三角点本体は無くなっているが三角点の基礎に埋まっている平たい石板は残っているし、達筆標識が存在しているので場所は分かる。南西方向に僅かに樹林が切れていて、先ほどまでいた国師ヶ岳も見えているが山頂付近はガスの中だった。遠くの山々も雲で見えない。東梓に至るまでに小屋泊まりと思われる単独男性を追い越したが、この日出あった登山者はこの1名だけだった。

 なおもアップダウンが続くので、たまに地形図を見て塩山へ至る尾根が分岐する2240m肩を見逃さないように注意しながら進んだ。肩の手前は割と大きな登りが待っているので簡単に判別できここでのGPSの出番はなかった。当然ながら2240m肩には標識は無く、塩山へ続く尾根には踏跡、目印は無い。しかし予想通り苔蒸した背の高いシラビソ樹林で藪は皆無。どこでも自由に歩けるので支障はない。薄いながらけもの道らしき筋が見られるが、これはどこに行くか分からないので当てにしない方がいいだろう。

 方位磁石で方向を確認しつつ緩い尾根を下っていくが、いかんせん樹林が濃くて前方の尾根続きの状態が全く見えないのは痛い。方磁石で確認するのだが、隣の尾根との方向の違いなど僅かなものなので当てにはできない。一応、一番太そうな尾根を下っていく(直進)。尾根が急激に高度を落とし始めると石楠花藪が登場、尾根を外さないよう尾根直上の藪の中を行ったり、藪が薄い東側直下を下ったりする。濃い石楠花藪の真っただ中で樹林が開けた場所があり、前方の様子が見えそうなので覚悟して石楠花藪に突っ込み、どうにか両手でかき分けて開けた空間に頭が出た。すると目的の尾根は僅かに右側(西側)にずれている。確認して良かったぁ。

 たぶん標高差で50mくらい登り返して尾根分岐らしき場所に到着。ここは傾斜がきつくなる直前の肩の部分であるが、尾根上は石楠花藪が濃くて東直下を巻き気味に進んだのが間違えの原因のようだ。目的の主尾根は尾根直上からでは藪が濃くて大変なので南を巻き気味に進んだが、ここから見ると主尾根とは見えない細さと急激な落ち方で、尾根を乗り移るのに急斜面を下る必要があってちょっとドキドキ。幸い、大きな露岩は無く、少ない立ち木を利用して乗り移ることができた。

 尾根に乗り移ったのはいいが、さきほどの景観では目的の尾根はもっと近かったように思えてきた。左にトラバースして小さな谷を越えて尾根に取り付き、大きな露岩を巻いてその先に出ると樹林が僅かに開けて先の様子を見ることができたが、どうもこの尾根は主尾根ではなくもっと西側で、さっきの尾根が正解らしい。元来たルートで戻る。この先は樹林が深く展望が得られる場所は皆無で、本当に正しい尾根に乗ったのか確証が持てる地形が出てくるまでは疑心暗鬼のまま下った。GPSに途中の緯度経度でも入れておけばよかった。

 主尾根は露岩混じりで西側は露岩の斜面、東側は急な樹林帯であった。しばし尾根直上が藪も薄く歩きやすかったが、少し下るとまたもや石楠花藪地獄の登場。少しばかりは尾根上を下ってみたが、立った石楠花でまだマシな部類だが高密度のため抵抗は大きく、藪が薄い東側直下へと逃げた。東直下も石楠花藪になった時点で尾根に戻って再び石楠花藪漕ぎ。しかしこれがきつい! この付近まで来ると尾根が太くなって傾斜も緩やかになってきて、塩山へ続く尾根に間違いないと確信できた。

 鞍部付近は平坦な地形でアップダウンが無いのはいいが石楠花が一段と濃く、特に立ち木が減って日当たりのいい場所では辺り一面が強固な石楠花藪だった。逃げる場所がないので濃密な石楠花に突っ込んだが足は地面に付かないし脛はあちこちぶつけて傷だらけ、おまけに視界はほぼゼロで方向感覚が無くなりそうだ。たぶん1時間くらい藪と格闘していたと思うが恐ろしいほど距離が進まなかった。今まであちこちでひどい藪に出会ったことがあるが、ここは確実に最強クラスであり距離も長い。

 左側(東側)に藪の隙間が見えたところで稜線を外れて稜線直下東側に下ると、嘘のように石楠花が切れて歩きやすくなった。尾根の途中で東斜面の傾斜がきついところがあるかどうか分からないが、多少の無理をしても東側斜面のトラバースの方が確実に楽ができるだろう。稜線上の石楠花藪は酷過ぎた。

 その後は多少の藪があっても稜線東直下のトラバースを続けた。倒木が多く越えるのに苦労する場面もあったが石楠花激藪よりはずっとマシだ。多少の石楠花が出てきても稜線上のような密藪は無くそのまま突っ切った。一時的に稜線に出た区間もあったが、塩山直下の1970m肩まではトラバースが可能であった。そこから山頂までの距離はGPSによると約150m、東斜面は傾斜がきつくトラバースが困難なので、ここから山頂までは稜線上の石楠花藪と格闘となったが、残距離が分かっているので精神的に楽だ。藪の強固さは鞍部付近と変わらなかった。

 少し進んで東側の傾斜が緩くなったところで稜線を下って石楠花藪を逃げたが、再び傾斜と藪がきつくなってトラバースできない場面になって稜線の藪に突っ込み、最後まで石楠花藪と格闘した。僅かに藪が薄い場所を選んで進むが踏跡皆無なので石楠花の攻撃が容赦ない。

 やっと傾斜が無くなってピークに到着、GPSの電源を入れると残距離は数mで塩山山頂だった。一面が背丈を越える石楠花の森で人工物は皆無、展望も皆無。ここへの訪問者はほぼ皆無だろう。縦走路のある2240m肩から30分くらいだろうと気楽に考えていたがとんでもない甘い考えだった。まだ石楠花が乾いていたら良かったが、雨露で濡れていたら途中で気力が持たなかったかもしれない。次にここに人が来るとしたらkumo氏かDJF氏しかいないだろう。石楠花の隙間に座り込んで休憩。まさかここまで体力を消耗するとは思わなかったので水は500ccしか持ってこなかったが、これはちと足りないかも。気温は13℃前後で長袖シャツを着れば寒さを感じるほどではなかった。

 さあ、帰りも藪漕ぎが大変だ。それに午後のにわか雨(雷雨)も心配である。雨は覚悟のうえだができれば石楠花藪の中で濡れるのは避けたい。縦走路なら濡れても許容範囲。塩山山頂近くは藪を迂回できないので石楠花の森の中をもがきながら進むが、さすがに下りだと登りとは速度が違う。藪が回避可能になるとすぐさま東斜面に逃げて、以降は延々と東斜面を巻き続けた。これは効果絶大で往路よりかなり楽ができたが、往路の藪漕ぎで体力を使いすぎたため鞍部から登り返した途中で休憩。尾根の分岐点手前では西にトラバースするような獣道?を追いすぎて尾根西側に回り込んでしまい露岩帯をよじ登る羽目に。逆にいえばここはまだ稜線上の石楠花は薄いと言えよう。ただし尾根合流点への突上げは石楠花が濃く、往路と同じく南側の急斜面を巻いて上に出た。ここから2240m肩までは藪も無く快適に登り、2240m肩の上でひっくり返って休憩。まだこの先は距離が長くしかも累積標高差は400m以上ある。藪が無いだけマシだが体力は絞られる。ここでも休憩で水は飲みつくしてしまった。

 既に無人の縦走路を西に進み、国師ノタルを通過して次の鞍部で再び休憩。これから標高差300m強を登らなくては。通常の体力状態なら何ら問題ないが、今日は石楠花藪で疲れ過ぎた。休憩を終えてチンタラと登り続ける。途中、雨が降ってきたが小雨で、濃い樹林の中を歩いていたので雨具無しでも濡れなった。降雨は短時間で終わった。

 標高が2450mを越えるとガスの層に突入、国師ヶ岳もガスの中で往路と同じく無人で静かだった。もう午後4時を過ぎているので当然か。その後も大弛小屋近くまでは登山道で人と会うことは無かった。帰りは夢の庭園経由で下ったが、ガスの層は抜けたが周囲は雲に覆われて展望は楽しめなかった。

 大弛峠に到着するとテントが花盛り。下界は地獄の暑さなのでここで幕営は天国だろう。こちらは温泉で汗を洗い流したいので軽く着替えをして山梨側に下る。牧丘温泉は改修工事中でお休みだったので、ロードマップを見てすぐ近くの「はやぶさ温泉」へ。意外にも源泉かけ流しのなかなかいい温泉であり、私と同じく牧丘温泉から流れてきたと思われる登山者の姿が目立った。料金は\500。今後はこっちの温泉にしようかな。

 

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